引き続き今日も、北海道特集をお送りします。
昨日、道北のオススメスポットを紹介しましたが、今日も同じく道北で、日本最北の百名山、利尻富士の登山を紹介したいと思います。
利尻富士登山は、沓形
ルートと、鴛泊ルートの2つがありますが、ここでは一般的に良く登られている鴛泊ルートを紹介します。
利尻富士は、標高1721m。登山道の崩壊が激しいので、到達できるのは1719mまでです。それより上は立ち入り禁止で、危険なので絶対立ち入ってはいけません。
標高自体はそれほど高くありませんが、鴛泊から歩く場合、ほぼほぼ標高0mから歩くことになりますので、標高差は1700mを超えます。
鴛泊から歩く場合、標準タイムで休憩を除いても、11時間ほどの山行になる、上級者向けの山です。
途中山小屋もなく、日帰り限定なので、きちんと夕方まで天気がいい日を選ぶように気を付けましょう。幸い夏は、日本アルプスよりは雷が少ないイメージです。
かなりきつい山ですが、頂上からは隣の島や、一部隣の国の領土まで見えます。離島の山ならではの絶景は素晴らしい思い出になることは間違いないでしょう。
登山情報
山名 利尻富士
標高 1721m(到達可能なのは1719m)
山の位置 北海道
登山難易度 上級者向け
アクセス
フェリーターミナル鴛泊港からタクシー10分、もしくは徒歩1時間 北麓野営場
鴛泊周辺に泊まり、宿泊施設から早朝に歩き始めることをお勧めします。
ほぼ海の高さから登るので、一度海に足を付けて、完全に標高0から登った感を味わう人もいるようです。
天気予報
ヤマテンでは、利尻富士の予報が発表されていますので、第一に確認しましょう。
予報ガイダンスで、上記に△で示したあたりの卓越天気、発雷確率もチェックしておくとより安心です。
1、ヤマテンで利尻富士の天気が「晴れまたは曇り」で、風速10m未満
2、予報ガイダンスで、「晴れ」で、発雷確率では無着色
上記2項目がすべてそろっていれば登山日和である可能性が高いです。
1、ヤマテンで、利尻富士の天気が「雨」または「雷雨」、注意書きに落雷や、大荒れの文言がある、風速15m以上
2、予報ガイダンスでは、「雨」だったり、発雷確率が10%以上
上記2項目のうち1つでも当てはまれば登山は見合わせるのがいいと思います。
登山案内
午前4時前には、鴛泊の宿泊施設を出発しましょう。
ひんやりとした空気で、薄暗い中、島の中央にはこれから登る利尻富士がそびえます。天気が良ければとがった山頂がはっきり見えます。
利尻富士登山口の北麓野営場を目指して車道を歩いていきます。歩いて行くうちに夜が明け、日の出を拝むことができます。
歩き始めてから、約1時間、標高220mの北麓野営場、登山口(3合目)に到着します。
3合目付近には甘露泉水という名水があります。ここで登山用の飲料水補充することをお勧めします。
甘くてひんやりとしたおいしい水です。
3合目から緩やかな登りが始まります。4合目5合目時点では坂もそれほどきつくはなく、あまり疲れを感じることはないので、適度に休憩も入れながら登っていきましょう。
6合目付近にくると、樹林帯を抜けて、視界が良くなります。
6合目から見る絶景です。すでに隣の島の礼文島の最高峰よりもかなり高い位置に来ています。海の向こうにはずいぶん小さくなった礼文島が見えます。
このあたりから勾配が急になって、疲れがたまっていきます。
振り返ると変わらない絶景。どんどん高度を稼いでいくと、眼下の礼文島はだんだん小さくなっていきます。
8合目、長管山から山頂付近および眼下を眺めます。ここまでくると標高は1200mほどあります。
海の方角を見るともう礼文島は両手に収まるサイズで、平らに見えてきます。
写真ではわかりませんが、遠くサハリンまで見渡すことができます。
この絶景を楽しんだ後は、さらに勾配がきつくなっていきます。気を引き締めていきましょう。
9合目に到着。ここの標高は1400mあまり。
この利尻富士、何合目という割り振りがあまり適切でなく、9合目から10合目がかなり長く、また、この登山の最大の難関になります。
9合目の標識にも、「ここからが正念場」と書いてあります。これからの激しい登山に備えてしばし休憩しましょう。
ここまでで疲労が限界を超えているなら引き返した方が無難です。ここでも十分絶景がみられています。
めちゃくちゃ急な坂が続きます。登山道は礫質の滑りやすい状態。崩壊も激しくて登山道の外に出るのは危険です。ところどころロープにつかまりながら、この急坂を登って行きます。
険しい道を超え、ついに到着です。標高1719m。ここまで来られた人だけが味わえる絶景を楽しみましょう。
海に礼文島がぽっかりと浮かんでいる。島の名峰ならではの、他では見られない風景。
雲の上から隣の島まで見渡せるのは貴重な経験です。
海と反対側にあるのは利尻の最高峰。今立ってる場所より2m高い。ただ登山道の崩壊が激しく通行止めとのこと。ここはあきらめて1719mからの景色を楽しみましょう。
下りも同じ道をたどります。特に9合目までの急な滑りやすい道は慎重に、そして当然最後まで気を抜かずに下山しましょう。